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アカデミア書店からフィンランドらしさは消さないで

世界のほっとんどの人には全然関係ないことですが、私個人としては、衝撃のニュースが、きのう飛び込んできました。

スターバックスがアカデミア書店に進出!

アカデミア書店といえば、日本人を大勢フィンランドに向かわせている映画『かもめ食堂』で、大切なシーンが撮影された本屋です。

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2階に、いかにも北欧な感じの照明や家具でしつらえたカフェ・アアルトがあります。

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静かにお茶しているフィンランド人を前に、片桐はいり小林聡美ガッチャマンを唱和してひんしゅくを買う場面を追体験したい日本人観光客に必ず遭遇する場所なのですが、このカフェは存続するということで、安心しました。

でも、分からないですよ、将来どうなるか。悪しき前例があるだけにーー。

 いえね、この4月ごろ、フィンランド初のスタバがヘルシンキ空港にオープンしました。一人あたりのコーヒー消費量が世界一とも噂されるフィンランドにおいて、自国のチェーン(たとえばロバーツ・コーヒー)や北欧系の店が幅をきかせてきて、スタバなんてなくても困らなかったのに、とうとう、グローバリズムの波がフィンランドにも来てしまったのです。

別にいいんですよ、スタバがあっても。でも、私が愛したロバーツ・コーヒーを撤退させてまでスタバを入れる意味が分からない。

ヘルシンキ空港は、私が初めて訪れた2年前は、ちょっと田舎っぽくて、おだやかな、いい感じの空港だったんです。ヨーロッパ域内の乗り継ぎエリアには、ロバーツのカフェがでんと構え、ぜいたくなほど広いスペースを占めていました。使われていた食器は、もちろん、アラビアです。

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ところが去年、ヘルシンキ空港で、探せど探せど、愛しのロバーツがないんですよ。代わりに、ギンギンギラギラした免税店がドカンと店を構え、そこをとおらないとターミナルに行かれない仕組みなんです。あれにはびっくりして、つい、そのことを問題にしてみたことがあります。すると、知りあいの(心ある)フィンランド人たちも、酒の勢いもあってか、「何だよ、あの商業主義は!」「あの醜悪な場所を通らずに飛行機に乗りたい」みたいに口を極めて悪口を言い始めました。

世界中の人が訪れる空港ですから、スタバが入っていることに一定の意味はあります。想像した通りのものが提供されることが、旅先では必要だったりしますからね。私とて、ブリュッセルで、いかにもヨーロピアンなコーヒーから逃げ出したくなって、駅で見つけたスタバに駆け込んだこともありますから、スタバが救世主になることをよく知っております。スタバ万歳!

だからといって、その国で長く親しまれてきたものを、世界標準なものに置き換えてしまっていいのでしょうか? 「ロバーツに何か不祥事?」と、勘ぐりたくなります。

フィンランド人はものすごく本を読む国民だと聞いたことがあります。そんなフィンランドを代表する書店だけに、アカデミアはとても大人な雰囲気で、どう考えてもスタバとは相いれないんですよね。

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あの空間のいったいどこに、スタバを入れようというのでしょう? しっくりいくのかいな?