庄野潤三さんとお礼状と「ありがとう」
とうとう来ましたよぉ。ちょっとおバカな私のかわゆい姪っ子ちゃんのともちゃんからお返事が! 大好きなシールをいっぱい貼って、いいヤツだぁ。
彼女がはまっている趣味のビーズ(詳細は不明)で、みかんを作って同封してくれました。かわいいヤツだぁ!
ついでに、初恋のこういちおじさん(=私の夫、ね)にもメッセージだす。
明日にでもお礼状を、夫と連名で出さなければ!
さてさて、以下は少しまともなお話しです。このところよくハガキを出したりしているからなのか、お手紙系の情報がひっかかってきます。誰かの本で、庄野潤三さんのお孫さんたちが、ちゃんとお礼状を書いているということを読み、とても興味を持って読んだのがこの本です。
- 作者: 庄野潤三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/06
- メディア: 文庫
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ふーちゃんという小学生の女の子のお孫さんが、何かにつけておじいちゃんとおばあちゃんに、かわいいお手紙を書いてくる様子が、とても微笑ましいのです。それに、時代的なこともあるかもしれませんが、親子の間でしょっちゅう、いろいろなおすそ分けとか贈り物をやりとりしていて、そのお礼も、手紙やはがきにしたためられているのです。
なんでだろう??
この疑問が解けたのは、昨晩、『けい子ちゃんのゆかた』を読んでいたときでした。
- 作者: 庄野潤三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 文庫
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ステキなエピソードなので、そっくりそのまま引用します。
昔、ロックフェラー財団の留学生として、妻とともにアメリカへ一年留学したとき、留学のお世話をして下さった坂西志保さん(ご冥福を祈る)に、出発前にお目にかかったとき、向うで食事に呼ばれたりしたときは、短くていいから、すぐにサンキューレターを出しなさいといわれ、留学中それを守った。
帰国してからは坂西さんのこの教えを三人の子供に伝えて、「何かしてもらったらお礼の手紙を出しなさい」といい聞かせて、子供らはそれを守り、自らの子供にも伝えてくれたのである。
ああ、なんて素敵な家族なんでしょう。
もうひとつ、庄野文学を読んでいて気付いたこと。しょっちゅう、「ありがとう」と言っておられるのです。
玄関の石段の鉢植の朝顔咲く。よく咲いててくれた。(中略)十月も末近くなって、よく咲いた。たのしませてくれた。ありがとう。
けい子ちゃん、よく見ていてるのに感心する。いいハガキをくれた。ありがとう。
お昼を食べてから朝刊をみていたら、西長沢から長男来る。妻が電話かけて、土びんむし作るから鳥にくるようにといったら、すぐに来た。軒下の鉢植で咲かせて小さなばらを届けてくれる。ありがとう。
こんな調子です。「ありがとう」っていい言葉。 庄野潤三病にかかってしまい、次々と読んでいる最中。
わが姪っ子のともちにも、お手紙に親しんでもらうべく、おばさんはプロジェクトを立ち上げました! このブログでも、庄野さんみたいに、時々ご報告ができればいいのですが。