郵便とリアルでトラベルライフ

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モンゴル男子がうちに来た♬

日本の大学への進学をめざして受験勉強に励んでいるモンゴル人の男の子E君を、クリスマス直前の夫がいる休日に我が家のランチにご招待しました。以前も書きましたが、発酵調味料に興味がある彼です。

待ち合わせは、我が家から歩いて数分のマクドナルド。念のため、手書きの地図も渡しておきました。ところが、約束の時間になってもE君は現れません。10分、15分……。これは何か勘違いをしている可能性があると思い、彼の携帯電話にかけてみたら、「マクドナルドの前にいます」と言うんです。別のマクドナルドに行ってしまっていたんでした~。

とまあ、外国人との待ち合わせは、念には念を入れても、こういことが起こります。

その日は寒かったのですが、ウランバートル出身の彼には大したことないと思ったけれど、会うなり、「今日は寒いですね」と言うんです。「はぁ? モンゴルはマイナス40度になりそうなんでしょ?」と、現地に住む友達から得た情報をもとに切り返すと、「はい。きのう、ウランバートルはマイナス35度になりました。でも、日本の家は寒いです」だそうです。

日本語学校の安普請の寮に住んでいるE君は、寝るときはエアコンを止めるので、起床時の寒さに辟易しているんですって。

留学生試験の結果が出たばかりで、表向きは「人事を尽くして天命を待つ」の心境です。彼からもらったメールのメッセージをご覧ください。

自分のできる限りこれまでなので、がっかりしないで、潔く受け入れるしかないですね。これからも大学の受験に全力を尽くします。いつも応援してくれてありがとうございます。

これだけ書ければ、十分じゃないですか? 久し振りにすがすがしい気持ちを味わいながら、予定より40分近く遅れて我が家に到着しました。

E君はおみやげを手渡してくれました。気を遣わなくていいのに。革にモンゴルの男の子を描いた飾り物です。カワイイのでうれしいです。

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私は日本の家庭料理をふるまいました。発酵調味料を一つ一つ説明し、実際にビンに入っている状態で、味見や匂いをかいでもらいました。酢だけは、モンゴルにも似たものがあると言っていましたが、みりん、酒、しょう油の類は初めてだったようです。

日本人の大人2人を相手に3時間以上、日本語で話し続けたE君。あれこれモンゴルについて質問を繰り出す私たちに、一生懸命答えてくれて、彼が知りうる範囲でモンゴルの暗部についても話してくれたので、「へぇ」ということがとても多かったです。

一番印象的だったのが、E君が自分の話す日本語が堅苦しくないか、心配していることです。

「日本語くらぶで40代、50代の日本人と話すのは、ぼくにはとてもいいです。みなさんの日本語はとてもきれいで、分かりやすいです」

これは、私が毎週楽しく参加している日本語ボランティアのことです。彼が「40代、50代」と思っている人たちは、実はオーバー60歳がメインなんですが、それはともかく、丁寧な日本語を話していることは間違いないです。というのも、ヘンに省略したり乱れた言葉を使ったりしたら、外国人に通じないからです。それに、私は、せっかくきれいな日本語を学校で習ったのであれば、それをきちんと自分のモノにしてほしいと思っています。

「電車で高校生の話を聞いても、全然分かりません」とE君が言うので、私たちは口をそろえて、「私たちだって分かりませんよ」と言いました。

「別に、分からなくてもいいでしょ?」と私。

「でも、ぼくが大学生になったら、一緒に勉強するのは、今、高校生の人たちですね。ぼくの日本語は、親しみを感じますか?」というのが、彼の心配事なのです。

でも、どうでしょう? 彼は国立大学に進む予定なので、そこで出会う日本人のお友だちはきっと、E君をありのままを受け入れてくれるのではないでしょうか? 彼の日本語をバカにしていじめたりするようなことはないと願いたいです。

高い発酵技術を持つ日本企業で研鑽を積みたいとも願っている彼に向かって、社会人の先輩として、夫はきっぱりと言い放ちました。

「言葉づかいがきちんとしていないと、日本では絶対に信用してもらえないよ。E君が入りたいと思っている日本の会社は、今の高校生みたいな言葉しか使えない人を採用することはないから」

社会人になったときに、どういう言葉を話すかはとても大事だと思います。ちょっと前に読んだ英語本でも、「アメリカでも社会人になったら言葉づかいを意識して改める人が多い」ということを読んだことがあります。はやり言葉も知らず、学校で習った日本語だけでは、世間知らずで終わるーーという意見もあるかと思いますが、E君が付き合っていきたいのは、「やばい~」「まじぃ」みたいな日本語を話す日本人ではないはず。

自分の国のこと、自分自身のことを、外国語である日本語できちんと話せて、礼儀正しくて、さわやかなE君なら、どこに出しても恥ずかしくないなあ、と思いました。でも、あまりにも「まとも」過ぎて、日本の若い子の中に入ったら、浮いてしまうかもしれないです。

ぼくは、食べるものが体や精神にも大きく影響すると思います。だから、マクドナルドみたいなところでは絶対に食べません。

これ、19歳の男の子の発言だと思えますか?

そう言えば、我が家では玄米100%なので、食事の時に「白いご飯じゃなくてごめんね。大丈夫?」と聞いたのですが、「え? 僕も毎日、白いご飯ではなくて、こういうお米ですよ」ですって。もう、うちの子になっちゃえ~。