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郵便とリアルでトラベルライフ

旅が大好き! Postcrossingを始めてからハガキで世界旅行。楽しいよ♫

中国人に日本語で英語を教える!?

ちょっと前の出来事ですが、中国人留学生のS君(大学3年生)のゼミの宿題を手伝ったときのことです。

S君から夜遅く、Facebookでメッセ―ジが来ました。

「明日の日本語くらぶに来ますか? ゼミで出た英語の論文をやっているのですが、全然分からなくて困っています。もし来られるなら、日本語くらぶが終わった後、少し教えてください」

という内容でした。私と彼の出会いは、毎週火曜日夜のボランティア「日本語くらぶ」。日本語学習者に、普通の日本人と話す機会を提供するのが目的のゆる~い活動です。

S君は4年前、まだ日本語がたどたどしいころから熱心に通ってきては、会話力をめきめき上げ、大学進学も果たしました。今回の宿題にしても、はなから頼ってきたのではないので、私は彼の「悲鳴」を真正面から受け止めることにし、本来なら日本語でおしゃべりすべき2時間、一緒に宿題をやりました。

いざ、英文の内容をS君に分かるように日本語で説明するのは、大変興味深い体験でした。

彼がやってきた翻訳を聞いて、出来ているところは「ほー、よくできたねえ」「うん、それでいいと思う」と、偉そうにほめ、おかしいと思うところは訂正し、「全然分かりません」というところは私が訳し、日本語に置き換えるだけでは「?」な表情をしている時は、例を挙げて説明したりして、ナントカ半分ほど終わらせました。

彼は、その日にやったことを徹夜でレポートにまとめて送ってきたので、次の日、それをチェックして送り返しました。その間、彼は、大学で授業を受けたあと、深夜までアルバイト(仕送りを受けずに留学生活を送っているんですよ!)をし、帰宅したら私からのメールをチェックし、残りの翻訳をするーーということを2日ほど繰り返して、ゼミでの発表の日を迎えました。

ゼミで初めての英語論文講読で、教授が「次回までに訳してくれる人?」と募ったときに、誰一人、手を挙げなかったそうです。誰かがやらなければ、ゼミが成立しないーーだったら、自信はないけど挑戦しよう、という、奉仕の精神すら感じる彼の行動に、「よし、だったら、手伝っちゃる!」と思ったのがきっかけだったけれど、私にとっても、非常に勉強になる体験でした。

このところ、ポストクロッシング以外でまともに英語を読む機会がありません。S君のお蔭でかなりのボリュームのアカデミックな英語を読むことになって、結局はwin-winだったんです。

さて、問題の論文の和訳ですが、私が依頼を受けた後、結局、日本人の学生2人と分担することになり、彼以外の2人はゼミの前日まで手を付けませんでした。1週間前から四苦八苦し、私まで動員して準備していたS君は、「みんな、そんなに英語ができるのか……ガーン……」と、一時はとても暗くなっていましたが、そーじゃなかったんです。

発表の当日、日本人2人は、翻訳サイト頼みの訳のわからないモノしか準備できず、S君の発表は群を抜いていたそうです。教授にも、「まさかここまで訳してくるとは思わなかった」とほめられ、その日の授業は彼の翻訳を中心に進めたと聞けば、黒幕はニンマリするしかありません。

正直に告白すると、私の解釈は正しかったのか、私の説明が彼にきちんと伝わっていたか、終始心配だったので、「ほっとした~」というのが真実です。

ところで、彼が英語を日本語に訳すのを聞いて気が付いたのですが、頭からどんどん日本語に置き換えていくので、論旨が行ったり来たりしません。結論を最初に述べてから、「なぜなら」とか「それはつまり」とかを使って文章をどんどんつないでいきます。それも、まったく違和感なく。一方、私は、文章の最後まで読んでから、すべての要素を盛り込んで和訳したくなってしまうので、長い文章になると、途中で訳わかんなくなってしまうという(涙)。S君は母国語が中国語ですから、語順は英語と同じ。そこで、彼はまずさらっと中国語で理解し、それをどんどん日本語にしていくようで、とても面白いと思いました。

何事も、やってみると発見があるものですね。

さびついた私の英語脳(そもそも大したことないシロモノ)は、いきなりトップギアでエンジンをふかした結果、のろのろと動き始めたものの、一休みしたら、あっという間に日本語脳に逆戻り~。

年が明けたら、S君と祝杯をあげます。ゼミの成績、絶対にAをとってもらいたいので、前祝いさ!