郵便とリアルでトラベルライフ

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田中一光さんという天才

「今日、田中一光展、行ってきたのよ。すごくよかった♬」

先日、母がコーフン気味に電話してきました。お正月に会ったとき、私がこの展覧会を激賞して、強くお勧めしておいたからなんです。

今年の元旦は、私にとっておねだりDAYでした。切手を大量にもらってきたことは以前書きましたが、もう一つ、日本の陶器が大好きな父から「この本はお前にいずれやるよ」と言われている『日本のやきもの』という全集について、再度、「ちょーだいよ」と念を押しに行ったのです。

「ねえねえ、アノ全集の装丁した人、知っている? 田中一光さんっていう日本を代表するグラフィックデザイナーなんだけど、六本木の展覧会を見に行ったら、会場にいきなりあの全集が置いてあって、腰抜かしたのよ~~。いつもらえるのかな?」

私はかなり感情移入して、熱く語ったのだと思います。そのことが、父ではなく母の頭に強烈な印象を残したらしく、先日、ふと思い立って、父と連れ立って見に行ったというわけです。

二人とも感激して帰ってきました。

「あの人は天才だな」とは父の弁。はい、あなたに言われなくても、多くの人がそう思っていますってば。

去年の年末、うちの親はクリスマスのライトアップを見る目的で、六本木の東京ミッドタウンに遊びに行ったのですが、その時に父は、若い男の子から、

「すいません、今、田中一光さんの展覧会を見てきたので、建物が写るように一緒に写真とってください」

と頼まれたそうです。彼から「すごいものを見てきた」という高揚感がただよっていたこともあって、頭のすみっこにひっかかっていたキーワードが、こんどは実の娘の口から炸裂し、「これはただごとではない」みたいに思ったそうです。

この展覧会の入り口でふと手にしたチラシで、「田中一光モリサワ展」の存在を知りました。前半はポスター、後半は情報誌『たて組ヨコ組』の展覧会です。過日、後半の展示を見に行った折、田中さんを追悼する終刊号をいただいてきました。

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この内容たるや、すごすぎて、とても一気には読めません。

あれも、これも、それも、あなたのお仕事だったのですね……。

たとえば、一世を風靡したこのハナエモリのシンボルマーク。1978年のお仕事です。

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そして、あの、雑誌『太陽』や『流行通信』のタイトルも。

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そして、西武セゾングループのためのお仕事ーー70年代後半から80年代のイケイケな雰囲気がよみがえってきます。

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さらに驚いたのがこれ、フェラガモの展覧会ありましたねぇ。このポスター(1998年)も、田中さんが手掛けておられたんです。

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こうやって見てみると、若き日の私が「カッコいいな」とあこがれていたことの多くことに、田中さんがからんでいらっしゃったという気がします。

グラフィックデザインとか、プロダクトデザインとか、お好きな方、心の底からおすすめします。ミッドタウン「田中一光とデザインの前後左右」は1月20日まで。「田中一光とモリサワ展」は18日までで、10-17時です。

今回行って初めて知ったのですが、成田空港の壁面デザイン(1992年)も手掛けておられるんですね。次の旅行は第1ターミナルなので、探してみようと思います。海外旅行の楽しみがまたひとつ。

 

この時間は、まだアメリカが始動していないようで、英単語の配信はまだです。

明日以降、掲載しま~す。