バスク旅行記⑫ ビルバオへ移動
バスク旅行記を最初、ド丁寧にやっていたら、まだサン・セバスチャンを出ていません。のろのろしているうちに、東京に春がやってきてしまい、あの寒かったバスク旅行のリアリティーが薄れていく~~~。これからはチャッチャと更新することを心がけつつ、ああでも、あれも書きたい、これも書きたいーー。
まず、2月5日は3泊お世話になったサン・セバスチャンを発ち、ビルバオに向かう日です。高速バスは、我らが宿に隣接するバスターミナルから出ますので、12時のチェックアウトまでの時間を有効活用して、行きそびれていたバルの名店で食べ納めと決め込みました。
と言ってもねえ、あのスバラシイホテルの朝食をパスできないあたし。だから、1個だけつまむつもりで行ったのですが、あまりのうまさに2個、食べちゃいました。
行った先はこちら。
サン・セバスチャンに行く日本人なら、おそらくほとんどの方が訪れるんだろうな~と思いました。何でって? お店の人が私たちを見るなり、
「こんにちは!」
と日本語であいさつしてくれたからです。ガイジンさんから日本語で声かけられるの、ホストクラブの入り口かと見誤りそうになったパリのシャルル・ドゴール空港ターミナルG以来。「どうやって食べたいものを注文するかが関門!」という気持ちで乗り込んでいたので、ありゃりゃ、不意打ちくらった気分でした。
まずは、チャコリで、楽しかったサン・セバスチャンとの別れを惜しんで乾杯。
さ~て、どれを食してやりましょうかと迷うヒマもなく、またしても日本語で
「エビ?」
と聞かれました。こうなりゃ、返事は
「Si!」
でも、その後、理解できない言葉で「なんとかかんとか~」と言われ、一瞬、「エビがないのか」と暗くなりましたが、「ちょっと待ってろ」的なジェスチャーだったので、それが来るまで、タコをいただいて待ちました。
あれれ、写真がぶれている。
こちららが本命のエビです。これがまあ、何と申しましょうか、どうしてこんなに絶妙の焼き具合が出来る訳?????というシロモノです。エビでこれほどまでに感動したのは初めてでした。本音を言うと、もう一つ、食べたかったよ。
許可を得て、堂々と店内の写真を撮っていたら……
私と主人の写真を撮ってやるよと持ちかけられたので、断りきれずにお願いしました。ここでは紹介しないけれど、私ったら満面の笑みで写ってました(汗、汗)。
スペインの高速バス
ビルバオ空港からサン・セバスチャンに向かったときは全然余裕がなかったので、バスの車体などにはこれっぽちも観察意欲が湧かなかったのですが、夫が突然
「こっちのバスって、バックミラーが面白いよな」
と言ったのです。
「へっ?」
た、確かに。あえて形容すると、虫の触覚みたいな感じなんですよね。言われるまで、ぜ~んぜん気が付きませんでした。
アップにしてみます。
一番前の座席をゲットして、見え方をチェックしたところ、これはかなりよく出来ているという印象でした。そうそう、バスのチケットは、事前にチケットオフィスで買わないとダメですよ。バスターミナルから旧市街の方向に延びているメインストリート沿いにあります。旧市街に向かって右側、「ここ、いつも人がいるなあ」と不思議に思っていたら場所が、チケットオフィスでした。
行先、人数を告げると、時刻表を見せてくれるので、乗りたい便を指さしすればチケット購入完了です。現金決済のみ、ビルバオまで一人€10.6でした。
降ったりやんだりの天気が続いていたのですが、ビルバオに近づくにつれて晴れ間がのぞくようになり、「やった!」と思ったものの、滞在中は雨具が手放せませんでした。
バスターミナルがメトロに直結しているので、地下鉄に乗ってみたい私たちは、タクシーではなく、あえて、地下鉄をチョイス。最寄りの駅に着いた途端、通りかかった地元の人に
「どこに行くの?」
と尋ねられてしまいました。こっちの人は家庭か小学校か幼稚園で
「困っている人(特に外国人)がいたら、助けてあげましょう」
と教わっているに違いありません。駅にいたおじさんも、言葉がまともに通じない私たちを何とか助けなくっちゃという感じで奮闘してくれましたが、なんせ、お互いに何言っているのか分からないので、どうにも展開が見えません。ご親切はありがたく受け取ったことを伝えなくちゃと思い、私はとくかく
「むーちょ、ぐらしあす」
と言い続け、何とかお帰りいただきました。そのおじさんも、先を急ぎつつ、時々ふりかえっては、「大丈夫か?」みたいなことを言ってくれました。あー、なんていい人なんでしょうか!
しかも、この方だけじゃないんです。同様のことが、それからも何度となく起きたんですよ! バスク人、めちゃくちゃ親切でうれしいけれど、ひとっことも分からないと悲しいし、申し訳なくて、旅の後半は、「話しかけられたくない症候群」にかかりました。
つ・づ・く