難所続きの南アルプス仙水峠へ
昨日から両親のサマーハウス(またの名を、父が受け継いだ自分の生家in長野県)に来ております。酷暑の東京を逃げ出して、いい感じ~。
長野行の準備を東京の自宅でしていると、父(高校・大学時代、山岳部部長)から
「おい、一緒に山に行かないか? 半日くらいで帰ってこられるから、気軽に行かれるぞ」
とお誘いの電話がかかってきていたので、ごく基本の装備のみでやってきた私。
そして、本日、父(80代)、母(70代)、私(年齢不詳)の3人で、南アルプスの仙水峠(2264m)へ行ってきました。
バスを二度乗り継いで、2032mの北沢峠から歩き始めます。最初は良かったんです。だって父から聞いていたのは、
「片道1時間。午後3時には家まで戻ってくる」
という話だったからです。ほとんど、ハイキングだろう、くらいのノリでした。
歩き始める地点にあったマップも、ルンルン気分に火をつけました。
そして、歩き始めてすぐ、こんな「雰囲気満点」の看板も!
そっか、この段階で、山梨県に入っていたんですね。
林道に入って間もなく、ホタルブクロを発見!
すぐ近くには、この清流です。マイナスイオン、出まくり。
超シニア夫婦のわが両親、ここまでは仲睦まじかったのですが、間もなく、暗雲がたちこめる出来事が起こります。
それが、ここ↓↓↓にさしかかったときのこと。
「岩がゴロゴロした道なき道を行くなんて、聞いてない!」
これが、母の怒りに火をつけました。
このあたりで、峠につくはずの1時間は軽く超えていました。確かに、うちの両親の写真撮影時間は半端じゃないので、それを勘案しても、時間、かかり過ぎです。
途中、峠から下ってきた登山客に、次々と
「峠まで、あとどれくらいですか?」
と、母は質問し始めちゃいました。でも、ある、プロっぽい方から
「峠まで、まだちょっとありますけれど、見晴らしがすばらしいですよ。甲斐駒ケ岳は最高でした。休みながらでも、とにかく峠まで行かれることをお勧めします」
ときっぱり言われちゃって、進むしかなくなりました。この段階で、山岳部出身の父は、はるか前方に勝手に行ってしまっておりました。
途中、私は母から、「先に行って。私は自分のペースでゆっくり行きたいから」
と言われたのを真に受けて、さっさかさっさか登って行ったのですが、夫も娘も姿が見えなくなったら、心細くなり、情けなくなり、涙ぐんでしまったというのです。
さらに、
「もう、帰りたい」
と後方から弱々しく叫ぶ母。その気持ちはよく分かりました。
ただ、この地点は、峠まであと10分の場所。しかも、ここだけ、ウグイスのかわいい「ホ~、ホケキョ」
が響いていたのです。まるで、
「よく頑張ってここまで来たね」
といってくれているみたいでした。とにかく、くじけそうになる母を励まし、励まし、無事、峠に着きました!
ジャーン! ちょっとガスってますが、目の前にそびえ立つ甲斐駒ケ岳の雄姿。
この風景をおかずに、持参したおにぎりでランチ休憩です。おいしかったわ!
でも、ちょっと驚いたことがありました。周囲で食事していたほかの登山客、ほぼ100%、コンロで沸かしたお湯でつくったカップラーメンかパスタの類をすすっていたのです。日本人の登山のお供って、おにぎりが定番だとばかり思っていたので、私たち3にんはひどくショックを受けました。
上の写真は、私たちの意見では、「広告に偽りあり」の典型です。
どう考えても、1時間で北沢峠(出発したところ)には戻れません! 母は、
「あれは20代の運動選手の男の子が、平らなところは小走りしてかかった時間に決まっている」
といって、憤慨していました。シニア連れなら、倍は見ておいた方がいいですね。だって、こんな↓↓↓ところもあるんですよ~~。
それでも、自然の中では、楽しい発見もありました。冒頭で紹介したホタルブクロに続き、名前もわからないかわいらしい植物を色々みられたのです。
まあ、ブーブー言いながらも、何とか出発地点の北沢峠まで戻ってきました。下界に下りるバスを待ちながら、山小屋「長衛荘」で休憩です。「甘いモノ、ない?」と尋ねた父に向かって、山小屋の方が、「ブラウニー、どうですか?」と勧めてくださいました。
これが、ほんとうに、世界一おいしいブラウニー(だと思いました)。
とにかく疲労困憊してましたからね、コーヒーとブラウニーが五臓六腑にしみわたりました。
もっと欲しくなった父が、
「あと5個買ってこい」
と言い、私と母は
「3個dいいなじゃない?」
と応酬し、結局、3個頼んだのですが、在庫が2個しかなく、それを買って持ち帰りました。毎日、この山小屋で手作りしているそうです。行かれる方、ぜひぜひぜひお買い求めください!1個300円は、味と場所を考えると、納得価格です。
この山小屋のメニューがこちらです♪
のんびり休憩していたら、臨時でバスが出ることになり、あわてて出てきちゃったので、山小屋の写真はバスの中から1枚だけ撮りました。
なんだか、珍道中だったけれど、サマーハウスまで戻って一服したら、みんな、思ったほど疲れていなくて、終わり良ければすべて良しーーな感じです。私など、秋の紅葉を見に、また行きたい、なんて思っております。
超達成感だ~~。