郵便とリアルでトラベルライフ

旅が大好き! Postcrossingを始めてからハガキで世界旅行。楽しいよ♫

オーランド諸島のオフ会カード

ヨーロッパは本当にあちこちでポストクロッシングのmeet-upが開かれていますね。今度はオーランド諸島(Åland Islands )からいただきました。

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 どこ?って感じですが、フィンランドの自治領です。ポスクロが採用している規定によると、IDはフィンランドのFIとは別のAXが使われています。私の所にやってきたのはFIから始まるIDですので、送り主はフィンランドのメンバーです。

オフ会用の特別な消印まで準備されていたとは! そして、今あらためて切手をしげしげと観察してみると、Postcrossing用のものであることが分かりました。熱心に準備した様子が目に浮かびます。

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オーランド諸島と日本の縁

一定の年齢以上の、一定の教養のある日本在住のフィンランド人が「ニトベセンセイ」と呼ぶ新渡戸稲造氏。彼が、オーランド諸島がフィンランドの自治領となる過程で大きな役割を果たしたことを知っている日本人は、スゴイと思います。

私は三年ほど前、仕事の関係で急きょ、オーランド諸島の自治について調べなくてはならず、その過程で初めて(!)新渡戸氏のご活躍を知りました。

第一次世界大戦の末期、ロシアからの独立の気運が高まり、フィンランドは1917年に無事、独立を果たすわけですが(だから今年は建国100周年なんです)、そのころ、スウェーデン系が大半を占めるオーランド諸島でも、スウェーデンへの再帰属を求める声が高まりました。「どっちの領土にするのか」を巡ってフィンランドスウェーデン両国間で緊張が高まり、当事者同士で決着をつけるのではなく、国際連盟に裁定を託す道を選びました。この問題に取り組んだのが、当時、国際連盟事務次官だった新渡戸氏だったというわけです。

オーランドにもっと自治を与えることを条件にフィンランドへの帰属を認めた「新渡戸裁定」なるものを、国際関係を勉強している方ならどこかでお聞きになっているかもしれませんね。でも、日本からあまりにも遠く、正直な話、マイナーな出来事なだけに、「一般の」日本人がこのことを学ぶ機会は、ほとんどなさそうです。なんとも残念なことです。

オーランド諸島からポストカードをいただくことなどなかった私。フィンランド人からですが、オフ会カードを送っていただき、思わず、新渡戸さんのことまで思い出してしまいました。そうそう、新渡戸さんはかつて、5千円札のお顔だったのですよね。そして、元々は英語で書かれたご著書『武士道』は、世界のリーダーたちに広く読まれたのでした。英語で書くことは、世界にメッセージを伝えるのに大事、というか必須ですね。日本語版(笑)を持っているのに、ちゃんと読んでいないことまで、思い出してしまいました。