受け取ったカードが気に入らなかったら
あなたならどうしますか? ポストクロッシングでランダムに割り振られた相手に送るカードを選ぶとき、もちろん、気に入ってもらえそうな1枚を選ぶでしょう。好みがうるさすぎてぴったりのものがなければ、手元にある中から当たり障りのないものをチョイスして送ったってOKなわけです。ある日、「典型的な観光ポストカード(英語ではtouristy)」というご希望のポーランド人に、私なりの解釈で「touristy」な1枚を送りました。
受け取りを知らせるメッセージが来てビックリ!
「こんなの、私が欲しかったtouristyのカードじゃない! 全然違う!」
このほかにも、気に入らない理由と文句がぶちかまされていました。しかもですよ、
「期待していたカードじゃないけど、もちろん、登録してあげます」
だって! この人、1年以上やってはいるけれど、ポスクロのルール、全然分かってないんだな、残念ーー。
さらに、さらに、さらにーーー。私が事前にアップロードしておいたそのカードの画像を削除したんです! 本当に気に入らなかったんですね。存在そのものをこの世から消し去りたいほどに。でも、やりとりした記録として、私にとっては意味のある一枚です。受取人が送り主に断りも入れずにいきなりデリートってどういうこと?
今度という今度は本当に悲しくなって、しばらく呆然としておりました。
でもね、捨てる神あれば拾う神ありですね。
オランダにいた「拾う神」のお話
気を取り直して新しいアドレスをリクエストし、オランダのXさんに当たりました。直感で、心の広そうな、ユーモアたっぷりな女性だと思えたので、今起きたばかりの出来事を記し、
「どうか、あなたがこのポストカードを気に入ってくれたらほっとするけど、なんだか自信ないわ~」
とまで書き添えました(と思います)。
おお、Xさんは、私の直感通り、本当にあったか~いひとでした。
ポストカードへの真摯なお礼の後に、それはそれは長文のメッセージが続いていたのでした。簡単に紹介すると
「カードのことでがっかりしたのは、あなたじゃなくて、その相手でしょ。これはゲーム。がっかりしたり残念に思ったりしたなら、それは、そう感じた人の負け。私はいつだって、”楽しいお便り”が届くことが嬉しいし、だからポストクロッシングをやっているわけ」
そうそうそうです! この感覚ですよ、私が共有したかったのは。特定のポストカード「だけ」集めているというのであれば、ネットで買えばいいじゃないですか! 知らない誰かが、真心と時間とお金をかけて送ってくれたポストカードが届くという、この奇跡に近い出来事を純粋に喜べないものでしょうか?
Xさんが教えてくれたquoteがステキなので、以下、原文を紹介します。
"Do not let the rocks keep you from looking for gems" Meaning that there are many not so nice people around , but also many nice people, waiting to become friends. Do not let the nasties keep you from looking for nice people:D
そして、
And you found me! Fate? You decide ;-) And if you want to swap cards, please sent me a message, I am definitely happy to do so with you :D
泣けるーー。
私は彼女の住所を知っているわけだから、お礼状を出そうかとも思いました。何日か逡巡したのち、とりあえずメッセージをポスクロ経由で送ったのです。あなたの温かい言葉にどれだけ救われたか、本当にありがとう、そして、恥ずかしいこと書いちゃったことを反省しています、ごめんなさい、てな内容です。
ほぼ2分後、Xさんから「Don't be sorry」というメッセージが届きました! 締めの一言がこれ。
Your message made me feel connected with you.
またまた、泣けるぜ! こういうメッセージをサラリと書ける大人(年齢的には十二分に該当)になりたいものです。