郵便とリアルでトラベルライフ

旅が大好き! Postcrossingを始めてからハガキで世界旅行。楽しいよ♫

吉田松陰を追いかけて下田へ

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近場で温泉に行こう、だったら、下田へ行こう、というわけで、先ごろ行ってきました。それが、まあ、本当によかったのです。

 夫は初めて、私は二度目の下田行き。実は、初めて下田に行ったときに、吉田松陰が国外脱出を試みて、黒船に乗せてもらうよう交渉し、失敗したという「事件」があったことを知りました。以来、足跡を少しはたどりたいものだと思っておりました。

今の下田の中心部からちょっと離れた場所に残る一軒の民家。ここが、松陰とその従者がかくまってもらった家です。現代の呼称は「松陰寓寄処」。

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そのお部屋がこちらです。

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二階の一室で、入り口の戸を閉めてしまえば、下からは分かりにくい構造になっています。正面から見る限り、二階があるようには見えないので、隠れ家には最適。

この部屋に入った途端、「ここで、二人が息をひそめて隠れていたんだな~」と思ってゾクゾクしました。現在はかなりきれいにお手入れされているので、当時とは様子がかなり異なるのでしょうが、同じ空間に身を置くことで、歴史上の人が急に近づいてきた錯覚にとらわれました。

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皮膚病の治療に効果がある、と聞き、蓮台寺温泉を訪れた二人が、この家の主に出会い、意気投合してかくまってもらったということです。松陰はその後、世界を見るために国外脱出を志し、下田沖に停泊していた黒船に「アメリカに連れて行ってください」とお願いに行きました。その時に携えていた文書「投夷書」が、実は、アメリカのイェール大学図書館に残っているというのです。

今回の旅で、ここが一番の興奮ポイントでした!

丁寧な説明をしてくださったの年配の女性が、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の準備のために下田を訪れたクルーから見せてもらったというその文書の写しを見せてくださいました。つまり、松陰の直筆(の写真)。几帳面な漢文にカタカナのルビがふってあります。この方の説明によると、黒船には中国人の通詞が乗船していること、また、漂流していた日本人漁師から日本語を習ったアメリカ人がいるらしいことを松陰たちは知っていたので、漢文とカタカナを書いておけば、誰かが、松陰たちの願いの内容を理解してくれるだろうと思ったのではないか、というのです。可能性の幅を広げて書かれたそのルビに、私は心を奪われました!

結局は、彼らの願いは伝わり、聞き入れられることなく、追い返され、国外逃亡を企てたことを自首した二人は、下田でまず、牢屋に入れられます。

とにかく、お話が面白くて面白くて、また訪れたいと思っています。それまでに、幕末のことをもっとキチンと勉強しおかなければ! 

ちなみに、松陰たちが入った温泉は、地域の方専用の施設として現存です。観光客はこちらのお湯には入れていただけませんが、すぐ近くに足湯があるので、そちらへ。このお湯、すっごく効きました! 要注意レベルです。