房総の旅 市の名前から消えた佐原
私たち夫婦にとって3月末の吉方位=真東へ向かえと、房総への旅を決行することになり、私が強く希望したのが、佐原探訪でした。
事前のリサーチでなぜか「佐原市」が見当たりません。でも、「佐原」は存在するーー。
20年以上前に一度、行って気に入り、「次回はじっくり回りたい」と心のどこかでくすぶっていた佐原行きは、出発前から「?」を抱えておりました。
ここは、伊能忠敬が婿入りして暮らしていた土地ということもあって、旧宅は観光の目玉の一つです。入り口からして、すてきなオーラ。入ってみましょう。
旧宅の中をちらっと拝見したときに、いくつも金属の太いつっかえ棒が屋根や梁を支えている様を見て、「!」。もしやーー。
ちょうど、おひな様を片付けていた男性がおられたので、声をかけてお聞きしたところ、
「3・11の時に揺れてね。瓦だって、ザーッと落ちてしまったんですよ」
とのことでした。やはり、試練にはさらされていたんですね。あの大地震で、お宅が全壊しなくて本当によかった。
お庭の方に回ると、忠敬さんの像。
そのとなりに、クスっと笑える碑がありました。妙に気に入ったので写真をば。
そうですね。この一歩から。新年度にふさわしい一言(でも、誰の言葉かしら?)。
佐原は街の景観を守ろうと努力されていつつ、レトロなものがオリジナルのまま残っていて、発見が面白かったのです。
市の名前の謎が判明
ただ、佐原が市の名前でない疑問がまだ、消えない。前に来た時は、絶対に「佐原市」だったんだもん! その疑問が氷解したのは、地元のおじい様とお話ししたときです。この方からは、ユネスコの無形文化遺産に登録された佐原の山車行事について、頭がパンパンになるほどた~~~くさん情報をいただきました。脳が処理能力を超えそうになったタイミングで、
「あの~、佐原って、昔、市でしたよね? 今は違いますけどーー」
切り出しすと、そのおじいさん、待ってましたとばかり、顛末をお話しくださいました。
平成の大合併の時、近隣の町と一緒に新しい自治体を構成することに決まり、「あそこならだれも文句ないだろう」ということで、地元で有名な香取神宮にちなんで香取市に生まれ変わったというのです。
それなら、香取神宮にはぜひとも詣でなければ! 行ってきました、桜満開の中をば。
観光客のみなさんは、「わ~、満開! きれいねえ」と大喜び。確かに、いっぱい咲いている桜ですが、8分咲きくらいで、満開一歩手前でした。
拝殿はさすがのオーラです。
裏に回ると、巨木が生い茂って包み込まれるような感じ。
パワースポットでしばし癒されてから、また、銚子へと戻ったのでした。
今回の房総の旅ルポは、今回でおしまい、おしまい。