郵便とリアルでトラベルライフ

旅が大好き! Postcrossingを始めてからハガキで世界旅行。楽しいよ♫

フィンランドの夏至祭

昨晩、知人が6月2日に長野県小海町で行われるフィンランド夏至祭に行くと言ってきました。私は去年の今頃、この祭りの開催方法にひどく怒っている男性Yさんから話を聞いて知っていたので、そのことを知人に伝えたあと、いろいろと考えたことを書こうと思います。

Yさんは小海町に別荘があるため、東京の自宅から頻繁に小海町に通っているうちに、「ここはどうしてフィンランド人がたくさんいるんだろう?」と疑問に思いました。聞いてみたところ、日本に住むフィンランド人が「森と湖の国」と称される母国と似た環境を探し求め、小海町にたどりつき、そこが気に入ってフィンランドビレッジなるものがつくられたことを知りました。地元の日本人との交流も増えてきて、あるとき、フィンランドの風習を一緒に楽しむ「お祭り」をやろう、という話になり、そのときに夏至祭が始まったそうです。Yさんも大いに賛同し、とても楽しく参加していたと言います。

当初はフィンランド国内と同じ日程で開催されていたのですが、気候の異なる日本では不都合が生じてしまいます。フィンランドでは6月19日-26日の間の土曜日に開かれることになっていて、今年は22-23日です。そのころフィンランドはとても素晴らしい季節ですが、日本は梅雨の真っ最中。そこで、「梅雨に入る前に日本で夏至祭を開けば、帰国する人はフィンランドでも本物の夏至祭に参加できる」と、都合よく考える一派が現れました(Yさん談)。これは、あくまでYさんから聞いた話なので、どこまでが真実なのか分かりません。でも、本国と日本で、開催日が3週間も違うのは、どんなもんだろうという気はします。

怒ったYさんは、新聞に投書したり、フィンランド大使館に抗議の手紙を書いたりと、行動を起こしています。Yさんの主張は、夏至祭は単なるお祭り騒ぎではなく、もともと、キリスト教と深い関係があり、日にちにも意味があるのに、日本の気候や関係者の都合で、勝手に日にちを大幅に変更するのは許せないというものです。祭りをやることに反対しているのではなく、「夏至祭」という名前を使うなら、本来の趣旨を大切にしろ、と叫び続けていて、結果、無視されているみたいですね。フィンランド人たちは「夏至祭」という名前にこだわりがあるかもしれませんが、日本人は「?」な人が多いだろうから、いっそのこと「フィンランドの夏祭り」みたいに変えちゃえば、八方丸く収まるんじゃないでしょうかね?

私は、Yさんがどうしてそこまで熱くなって怒りまくっているのか、不思議な気持ちで聞いていたものの、フィンランドの事情を知らない人にしてみると(私だってYさんから初めて聞きました)、「夏至祭って6月初旬なんだ~」とインプットされる可能性はあるなと思いました。

この一件、フィンランド人たちも音頭をとったとYさんから聞きましたが、ある意味、とても「日本的」だなぁと感じます。

小海町の夏至祭に行こうとしている知人は、本来、9月半ばから10月にかけて開かれるドイツの祭り「オクトーバーフェスト」が、日本では適当な時期(お台場ではGW中だよ!)に開かれているのは、確かに納得できないそうです。ドイツビールを販売したい人たちにしてみれば、ドイツを感じさせる名前をつけてみたいだけかもしれませんが、秋の行事が春に行われるというのは、確かに違和感があります。夏至祭問題よりひどいかも~。怒っている人、いないのかな?

クリスマスの例を出すまでもなく、日本人は海外の風習を貪欲に取り入れて、「単なるイベント」に変化させて遊んでしまうのに長けていますね。今までは、大して深く考えることもなく過ごしてきましたが、小海町の夏至祭のことは、何とか平和裏に決着をつけてほしいものです。だって、日本ファンの外国の人が、たとえば、「クリスマス後のイベントの少ない時期に和風のイベントで一儲けしよう」と思いつき、「これが日本の有名なお祭りです!盆踊りを一緒に踊りましょう」とか言って、海外のどこかの町で屋台も出して、へんてこな和風グルメを本物っぽく販売したりしたら、私は嫌ですからね~。すでにどこかで、そのようなことが行われていたりして……。