お寺でヨガ

お寺のヨガ教室に参加して3年目。高い天井、広い本堂、そして、樹木もあって気もいいのか、本当に清々しくて気に入っています。

私の先生は70代の女性ですが、娘の年齢の私の方がよっぽど体が硬い……。ヨガを始めていなければと思うとゾッとします。ゆっくりした動きで四つん這いになってから背中をそらして目線を上へーーそうすると、天井の龍の絵が見えたりするんです。

ヨガを始めたとき、先生の一言一言がとても新鮮でした。

• 他人と競わない
• その日の自分との対話をする
• うごきはゆっくり
• 無理せず力任せにしない
• 呼吸と動作はワンセット
• 頑張り精神、害あって益なし

などなど。みなさん、学校でも会社でも、他人と比べられ、人の目を意識し、競わされ、「頑張れ」と言わませんでしたか？　勝つことをどこかで期待されて走り続け、そのことに疑問すら感じませんでした。そんな私も今では、「競争社会」からきっぱりと足を洗い、「ヨガワールド」に馴染んでおります。他人は関係ない、頑張らなくていいーーそう聞いて、身体より先に心がほぐれた気がしたものです。ため息をついても、お寺の雰囲気がすべてを包み込んでくれるのです。

最初は先生の説明通りにポーズがとれているか不安で、周りの人のことをキョロキョロ見ていたのですが、そんなことはしなくてよし。「上手にやることより、正しくやることが大切」と、いつも先生はおっしゃいます。

痛いところは「さびつき」ーー体が教えてくれているのだから、現実から目をそらさずに、呼吸をつけてじわじわと伸ばしていけば、いつかさびついたところが本来のいい体に戻っていきます。確かに、息をゆっくり吐きながら「あと1ミリ」と思って伸ばしていると、あら不思議！　届かなかったところに届いたりするんです。

教室のお仲間はメインがおばあ様方なので、無理めのポーズは一切なし。それでも、1時間半のクラスが終わって帰宅すると、ぐったりです。あまりにもだるいと、泥のように眠ってしまうこともしばしばです。本当は、終わったらスッキリするはずで、筋肉痛になったりするのは頑張りすぎ（＝NG)。とにかく、体に効きます。

続けていると、いろいろなポーズにも興味が出てきて、この本を手元に置いています。偶然ですが、著者は私の先生のお師匠でした。

ヨーガ入門―ココロとカラダをよみがえらせる

先生の別の教室に参加させていただいたことがありますが、公民館の一室でやるのと、お寺の広い本堂では、クラスの内容は同じでも、充実感が違います。ヨガはストレッチや体操ではなく、瞑想の変形（先生曰く）ですから、環境がとても大事なことは確か。その点、お寺は最高です。理想の環境でヨガをやれて、本当に感謝です。今じゃ、行かないと心のこりが悪化する気がします。