郵便とリアルでトラベルライフ

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ソウルの肉食「草食系男子」

「肉と一緒でなければ野菜は食べたくない」というほど肉が大好きなC君。ソウルに住むイケメン独身男子です。彼が東京に留学中に、知り合いました。

身長186センチ、顔が小っちゃくて、めちゃくちゃやせてて、しかもおしゃれ。一見して「もてて、もてて、しょーがない」感じなのですが、真実は「女に興味なし」。かといって、男に興味があるわけでもないのです。

先日ソウルで、C君のほかに独身男子+女子と4人で夕飯を食べていた時のことです。31になる今日まで、女性と付き合ったことがないーーというC君の“告白“を聞いて、同席していた男子が「なんだって!」と叫びました。

典型的な草食系男子を自認するイケメンC君は、私の荷物を持ってくれたり、ホテルまで送ってくれたり、とても優しくて親切。「学生のころは女の子を好きになったことはあります。でも、今まで女の人と1度も付き合ったこともないし、今はあまり興味もありません。おかしいですか?」と、何回か真顔で聞かれて、答えに困りました。多分、自分でも悩んでいるのでしょう。

C君としみじみ話す時間があったので、少し軽い話をしたいと思い、「アングリーバーズ好き?」なんて聞いてみました。フィンランド発のモバイルゲームは、鳥たちがスリングショットでブタを倒すゲームです。日本以外で爆発的にヒットしているので、韓国でもゲームに出てくる鳥のキャラクターをあちこちで見かけます。C君はアニメやゲームが好きな今どきの子ですから、きっとやるだろうと思いきや、

「あぁ、あのゲーム……やりません。僕は、殺したりするのは好きじゃないんです」

この言葉を聞いて、はっとしました。彼は本当に優しい。 

そして、かっこいいバッグから取り出して見せてくれたのが『三国志』でした。

「今、4回目、読んでいます」

韓国では、『三国志』を3回読むと、社会のいろいろな問題についての対処法が分かると言われているそうですが、C君は「僕はまだ(その域に達していない)。だから、もう一回、読むんです。大好きなんですよ」

繊細な彼なりに、色々と深く考えているんですね。

韓国では、若者の就職事情が日本以上に厳しいようで、自立できない人がたくさんいます。C君も残念ながらその1人で、最近受けたレーシックの代金もお父さんに出してもらったそうです。せっかく社員になったというのに、コンビニの仕事もやめちゃいました。

「あの仕事はずっとやるものではないし、夜中に働いていて体調が悪くなったんです。ちゃんとした仕事に就かないと……」

今は、妹から紹介されたウェディング関係の仕事をやるべく、準備中。

「結婚に興味がない自分がウェディングの仕事をしてもいいのかな」と言って爆笑したので、大丈夫でしょう。

一人暮らしがいいのは、親から「結婚しろ」と直接言われなくて済むから、とも言っていました。

同席していた女子も、「韓国人はおせっかいをします」と言っていました。一度、日本で自由な生活を体験したがゆえに、母国にもどって社会的なプレッシャーをより強く感じているようです。草食系C君に限らず、彼らが他人の目を気にせず、自分の人生を歩いていけるように、願わずにはいられません。でも、私くらいの年になると、少しおせっかい焼きの韓国社会もいいもんだと思えるのですがね。