フィンランドを感じる石本藤雄展
フィンランドで制作を続けている石本藤雄さんの展覧会、どうしても今年中に見に行きたくて、表参道のSPRIALまで行ってきました。
前回、石本さんの誰かも知らず、ぶらりと立ち寄って、陶器の花たちの独特な世界にすっかり魅せられて数年。そう、私がフィンランドに旅して、すっかりはまるより先に、私は石本さんとーーそして彼の作品を通してフィンランドにーー出会っていたのでした。
今回のテーマは「冬」。でも、入り口には、前回同様に、愛らしい陶器の花が壁いっぱいに飾られていて、うれしくなります。
一つ一つ見ていると、もう、すべてがお気に入りになりそうで。今回はなぜか、淡いピンクなどのラブリー全開なものより、モノトーンの作品に心が動きました。季節のせい?
さて、メインエリアには、ドーンと使われているこの布も、もちろん、石本さんデザインです。そう、石本さんは、マリメッコでテキスタルデザインを長いこと手掛けられ、ヒット商品をいくつも発表してきた重鎮なんですよ。
とにかく、まず目に入る「SELÄNNE」(2003)という名前のファブリック。柄を合わせて、天井から床に向かってこの布が下りてきて、独特の空気が生まれます。でも、目立ちすぎません。展示スペースを素敵で居心地のいい空間に整える効果は絶大なのに、布そのものはほとんど主張をしていません。空気みたいです。インテリアに大きな布を使うこと、フィンランド人はお上手だと思います。ヘルシンキ空港にも、マリメッコの布を壁面にドドンと飾ってあります。
今回、石本さんは釉薬を使わない、ごつごつした花をたくさん発表していました。
日本の焼き物を想像させます。石本さんの日本人としてのルーツを感じたりして。
丸いプレートのシリーズも、本当によかった!私はモノトーンがいたく気に入りました。
ほれぼれしちゃいますよ。
トークショーの様子も、会場の外で見られます。かなり石本さんのことを知ることができて、面白かったのでお勧めです。
ふりかえると、ほら、マリメッコの石本作品のオンパレード。スゴイ!!
この「PARATIISI」(1996)は、マリメッコのショップが池袋西武にオープンしたときに、PR用のハガキに使われていました。
ポストカードと言えば、受付で売っていた8枚セットを買いました。かわいくて、使えない~。
会場に隣接するスパイラルカフェでは、テーブルに石本さんがデザインしたクロスがかけられています。
こういう配慮は、いいですね。フィンランドを十分満喫しました。
1月14日まで会期が延長されました(12月30日ー1月4日は休み)。無料。