郵便とリアルでトラベルライフ

旅が大好き! Postcrossingを始めてからハガキで世界旅行。楽しいよ♫

日光に行ってきました

年の初めに「行きたい場所リスト」を作ってみたのですが、図らずして一か所、行くことができました。

日光~~~。

ひょんなことで鬼怒川温泉に2泊3日で行くことになり、連泊の間の日を、さてどうやって過ごそうかと考えたとき、年下の旅友だちレイコちゃんがうちのご飯を食べに来たので、相談してみました。彼女は去年、お母さんと二人旅で鬼怒川に行ったのです。

「鬼怒川は、たとえば、うちのお父さんが友だちと宴会する、みたいな感じならいいと思うんだけど、町をそぞろ歩いて楽しい場所じゃないっすよ。麻雀したり、お酒飲んだり、お風呂入ってだらだらしてーー。それより、バスで日光に日帰り旅行するのがおすすめ。そうしてください!」

とまで言われました。

日光! 行きたいと思っていただけに、急に決まって、ビックリしました。

浅草から東武特急で鬼怒川温泉までは二時間。発車するとすぐ、「窓の外にスカイツリーが見えてきます」というアナウンスが入ります。

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飛行機に乗ると、「左手に富士山が見えます」と、CAさんが教えてくれるみたいな感じ。一度、新幹線でも「右手に富士山がきれいに見えます」というご案内をいただいたことがあります。

東武鉄道としては、とにかく、スカイツリーを全面に出してPR、PR!

鬼怒川温泉から日帰り日光駆け足旅

鬼怒川温泉からは、朝の10時に、駅前からバスが出ます。大人片道1000円。約50分で日光に到着! 帰りも(もし鬼怒川温泉に戻るなら)、降りた場所のすぐ近くのお土産物屋さんの脇に乗り場がありますので、そちらで待ちましょう。

さてさて、日光山の社寺は、東照宮二荒山神社輪王寺の「二社一寺」と称されているということを、今回はじめて知りました。本当に、"大人の修学旅行”状態です。旅ノートでも作ればよかった。大人になってからの方が、ちっとは社会経験を積んで、知識も少しは増えているから、興味がわけば、吸収も早いよね。

進路にしたがって進んでいくと、偶然、スカイツリーのてっぺんと同じ高さだという位置に、こんな表示がありました。宗教施設もお客様を大切しているということがよく分かります。たくさんの人が記念撮影していました。

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それにしても、日光に来てまでスカイツリーって! あれは東京にあるんですけどぉ。

とにかく、30年ぶり(?)に行った日光は、予想以上に面白かったです。ガイドブックも持たず、読まず、行き当たりばったりのショートトリップですから、どこからどうやって行ったらいいのかも分からないんです。どうやら、このチケット(1000円)を購入するのがお得のようでした。メインの場所をほぼ網羅していますし、あちこち階段だらけで結構歩くので、ここに入っている場所をコンプリートするだけで、かなりの運動量になると、終ってから思ったほどです。

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平成の大修理の真っ最中で、あちこちこんな感じ。輪王寺三仏堂。平安時代に創建された天台密教形式のお堂ですって。 

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改修中なら日光に行くのやめよう、と思うことないと思います。これにもメリットがあって、普段は高い場所にあるものが改修中は近くで拝見できたりしました。

急いで、有名どころの東照宮へ急ぎましょう。ほとんどの人が、最初の門を通って自動的にこちらにやってきます。

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この三神庫のエリアに入った瞬間、山形県米沢市の上杉家ご廟所を思い出してしまいました。全然、用途は違うのに……。こちらは、馬具や装束類を入れた保管庫です。

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それにしてもきらびやか。さすが、徳川家のやることは贅沢なもんです。

東照宮で見つけた可愛いモン

この倉庫の前に、おそらくは東照宮で最も人気のある、有名な「モノ」があります。それが、この「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿。

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小学校の修学旅行で来たときに見たはずなのですが、全然覚えていません。だから、かえって新鮮でした。

このサルたち、本当にかわいいんですね。基本的に、サルの絵柄には弱い性質なんですが、めちゃくちゃかわいくて、心を奪われました。

この三猿は、神厩舎を飾る8面の彫刻の1つに過ぎません。それも今回、初めて学習しました。人の一生をサルにたとえ、母親を見上げる子ザルのシーンからスタートし、幼い純真なときは、穢れたものに接することなく、良いものをみにつけよーーという教えの三猿に続き、いずれ、生涯の伴侶と出会って、人生の荒波を乗り越え、子宝にも恵まれるーーそこで、シーン1に戻るという仕組みになっています。

8面の中で、三猿についてかわいいと思ったのがこちらです。

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丸い頭のサルが下を見ていますが、どうも、災難にあったらしいのです。それを、横にいる猿が「肩に手を置いて励ましている」の図。あんまりにも可愛くて、声を出して笑いました。

そして、これが最後のシーン。お腹が大きいのは、出産を控えたメス猿ちゃんです。

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ね、すっごく可愛いでしょ! この8面のサルのストーリーだけのポストカードセットを販売してほしいです。

お次は、なぞのオブジェ。

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説明がないので、何だか分かりませんが、一緒に行った夫曰く

アール・ヌーボーは日本の方が先、っていうことなんじゃないの?」

江戸時代のものなんでしょうか?

そして、大声を出して笑ったのがコレコレコレ↓↓↓

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想像上の動物「麒麟」を紹介するのに、「キリンビールのラベルでもおなじみの」って、特定の企業の名前出しちゃっていいのかあ? いい? あ、なるほど、NHKじゃないからね、東照宮は。

ということで、もちろん、キリンビール株式会社も全面的に広告出してます!

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というように、東照宮はディーテールに面白いモンが隠れていて、侮れません。近いうちにまた、じっくりと目を凝らして、発見の旅に訪れたいと思います。

一押しと言えば!

さて、今回の二社一寺を訪れる、いきなりの日帰り旅行で最も心に残ったのが、実は、大猷院です。

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由来などを知らずに行ったのですが、家光の霊廟がある場所です。多くの観光客は東照宮だけ見て帰るようですし、じっくり見ていたら、東照宮だけでも十分楽しい(勉強になる)のでしょうが、せっかく遠路はるばる日光に行ったこちらとしては、ぜひぜひ、一番奥のこちらもお参りされることをお勧めしたいです。

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と言っても、とにかく、たくさん階段を登らなければなりません。でも、その努力は報われます。

何といっても、観光客の数が少ない! 「静謐」なんて言葉が頭をよぎります。

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私たちがここに着いたとき、ちょうど、お寺の方の説明が始まっていたので、参加しました。これがまあ、御坊様の格好をしたツアコン?と思うほど、上手。面白いです。上の写真の塀にぐるっと横長のデコレーションがあります。鳩をモチーフにした飾りが彫られているのですが、なぜゆえに鳩?と思いますよね。

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そのお坊さんのお話しでは、家光はおじいさんにあたる家康公をとても尊敬していたということから、祖父母の世代が親の世代の代わりに子育てする(らしい)鳩をあしらって、家康と家光の親密な間柄を表したかったのではないか、ということなんです。鳩の習性については、「本当??」と思いますが、「そういわれていた」話が多い日本ですから、まあ、ここはスルーしておきます。

もうひとつ、「本当??」というのがコレ↓。霊廟への最初の入り口となる夜叉門に鎮座する四夜叉の1つ「烏摩勒伽(うまろきゃ)」の膝を見てください。何が付いていますか?

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そうです、ゾウ! 

「みなさんにもついていませんか?」

そうなんです、膝小僧の語源になった(と言われている)像(ゾウ?)なんですって。は、は、はあぁ。

このように、面白くてためになる(?)話を聞きながら、いよいよ拝殿にお参りします。この中は撮影禁止。でも「外」ならいいかなと思って、下の写真を撮りました。

黒檀に真鍮を埋め込んである階段の板です。

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拝殿の入り口とほぼ同じくらいの幅の長さがありますから、数メートルくらい?

「一段分で、高級外車が2、3台は買える」というご説明でした。数段ありましたから、それだけで相当なお宝です。しかも、すごく素敵で、しびれました。ここからしばらく離れたくなかった。そう、私は黒檀好き♪

拝殿内はまさに金箔尽くしで、家光公の儀式用の甲冑もかざられていました。52キロあるそうです。狩野探幽と弟の永真の筆による襖絵も間近で拝見できます。

そして、あちらこちらに葵のご紋。

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日光二社一寺のお守りの不思議

そうそう、いくつかのお寺、神社で、ためになるありがたいお話をお聴きするチャンスに恵まれたのですが、いずれも、セールストークでフィニッシュでした。

いくつか聞くうちに、パターンが見えてきました。それは、

「一生使える」

ということ。普通、神社でいただくお守りや破魔矢の類は、1年使ったら、いただいた場所にお返しすることになっていますよね。私はあまり、その手のお守りを自分で入手したことがなかったので、お返ししたこともないまま、この年まで来ているのですが、そういうお作法になっていることは知っています。しかし、この日光のお寺さん、神社さんは、

「一生、お使いください」

とおっしゃるんです。

そこで、最後に寄った大猷院で、金属製の破魔矢を分けていただきました。デザインは、あの膝小僧の烏摩勒伽が右手に持っている矢。

矢の先を上に向けて、お部屋のお好きな場所におまつりください、とのこと。でも、いわゆる「八方ふさがり」というか、いいことがあまり続いていない場合は、玄関に矢の先を外に向けて水平におまつりせよ、ということでしたので、その通りにしてみました。これで超開運、まちがいなし。で、矢の右横は、フィンランドでもらってきたムーミンキャラクターのポスターです。大丈夫かなあ。