郵便とリアルでトラベルライフ

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日本を、取り戻せ

かつて、某政治家がテレビコマーシャルで連呼されていました。

日本を、取り戻す。

この言葉をちょっと変えて、函館山の頂上で、心の中で絶叫しておりました。

日本を、日本人に取り戻せ‼

 そうなんです! ここ函館山は日本の国土のはずなのに、聞こえてくるのは中国語オンリー。国籍は分かりませんが、中国人であろうと台湾人であろうと、はたまた、母国語が中国語であるオーストラリア人やアメリカ人などもおられるでしょう。日本人の私は完全、アウェー。

しかも、ものすごい人数なんですよね。

想像するに、海外旅行先に日本を選び(それ自体は、ありがとう)、ウキウキと楽しい時間を過ごしておられるのでしょう。個人個人に恨みはありませんが、あまりにも多すぎる! 彼らとて、日本に来ているという実感は乏しいでしょう、あれでは。

函館山に夕方訪れる目的はただ一つーー夜景です。ロープウェイで頂上駅に着いた途端、この中国語ワールドがさく裂し、最上階は身動きできないほどの混雑です。

みんな、目的は一緒だからしょうがないのは分かります。私も4,5列目に待機しました。「今、最前列の人たちは、写真撮ってしばらく眺めたら、順番を後ろの人に譲ってくれるんだろうな」と、日本人的な発想で、待つこと数分。

しかし、それは甘かった。最前列をゲットした彼らは微動だにしません。常にしゃべりながら、写真をとりながら、はたまた、SNSにアップしながら、場所を譲ろうとはしないのです。

私は高齢の親を同伴していたこともあって、堪忍袋の緒が切れかけ、思わず英語で、「ちょっとしゃがんでくれない? 写真撮ったら帰るからさ」と言ってみました。最前列にいた女子はジェスチャーは理解したようで、ちょこっとしゃがんでくれたので、何とか写真を撮ることができました。

混雑と騒音に嫌気がさしていたので、早々に引き上げようとすると、今度は、後ろから中国語をまくしたてながら突進してくるおばさんに激突されたんです。「押さないで! 私はこれから帰るんだから~」と思わず怒鳴ってしまいましたよ。気分を落ち着かせようと下の階のカフェに入ろうにも、もちろん満席だし、そこだって当然のこと、中国ワールドでした。

日本人がどうして日本を楽しめないの?

なんで、日本人の私たちが、日本の風景を楽しむのがこんなに大変なのでしょう?

今や、東京や京都のみならず、日本のあちこち、外国人観光客があふれております。政府の「インバウンド!」の号令にけしかけられてか、地方都市も「どうやって外国人観光客を誘致するか、どうやっておもてなしするか」と四苦八苦しているようです。ありがたい面もありましょうが、日本人がフツーに日本国内を旅行(移動)する時に支障が出始めていると感じたことはありませんか? これ以上増えたらいったいどうなるんでしょう?

そんなことを友達のHちゃんと話していたら、彼女が面白いことを言いました。

昨年、家族で福岡空港から大分の親戚の家に向かったときのことです。かつては福岡空港の国内線ターミナルから出ていたバスが、今や国際線ターミナルからしか出なくなってしまいました。それ自体、日本人客軽視ですよね。案の定、バスの中は周囲は中国語・韓国語ワールドがさく裂。事前に席を予約していた彼女のお父様が、自分の席に座ろうとしたら、そこには韓国人カップルがイチャイチャしていたという。。。事情を説明したが、面倒くさくなって、彼らの席(もちろん空席)に座ってあげたというのです。

「九州にしてみれば、アジアからのお客様は神様なのかもしれないけど、私たち日本人が本来受けられるべきサービスを受けられなくなっている感じがすごくするんだよねー。こういう噂が広がると、日本人は九州旅行を控えるようになるんじゃないかな。少なくとも私はしばらくは行かない」とキッパリ言ってました。私もしり込みします。そして、「函館はやめた方がいいよ」とすかさずアドバイスしました。京都は言うに及ばすです。

インバウンド数を追いかける愚

でも、私が本当に言いたいのはちょっと別のことです。日本人の普通の生活を維持しつつ、外国からのお客様にも楽しんでもらうには、どうしたらいいのか。その解の一つが、インバウンドの人数を気にするのではなく、一人当たりが落とすお金の額なのではないかと。

観光関係に詳しい人から聞いたことがあるのですが、観光立国スイスでは、インバウンド人数の「数値目標」の話をしている人なんていない。むしろ、一人当たりスイスで消費してくれる額をどうやって上げるのかを問題にしているというのです。

私もこの意見に一票! 日本は食べ物もおいしくて、基本的には安全だし、購買意欲をそそるものが溢れています。中華系の人たちの爆買がひと段落した今、たくさんの人数がちょこちょこ買うのではなく、一人一人がきちんと消費してくれる方法を模索する時期に来ているのではないでしょうか? 国内旅行を楽しみたい日本人だってたくさんいるのです。それぞれの立場の人が旅行を心から楽しめるように計らうには、行き過ぎた混雑は解消すべきだと心の底から思います。傲慢かましてたら、すみません。