郵便とリアルでトラベルライフ

旅が大好き! Postcrossingを始めてからハガキで世界旅行。楽しいよ♫

知らない誰かとの手紙を仲介するアートプロジェクト

先日、日経新聞に大きく紹介されていた「鮫ヶ浦水曜日郵便局」のことを調べていたら、関連書籍が出版されていたことが分かったので、読んでみました。

 

赤崎水曜日郵便局

赤崎水曜日郵便局

 

 

 私設の水曜日郵便局あてに手紙を出すと、見知らぬ誰かに届けられ、自分にも、見知らぬ誰かからの手紙が届くという趣向。元々、2013年に熊本県の廃校でアートプロジェクトとして始まった赤崎水曜日郵便局のことと、やりとりされたお手紙が紹介されている本でした。

色々な方の肉筆のお手紙と、それを活字で紹介するページが見開きになっていて、延々と続きます。日本のどこかでつづられた、その人の水曜日の出来事は、実に千差万別。驚くほど赤裸々な内容もあって、驚かされます。知らない誰かに向けて書いているからこそ、本音で語れる面もあるようです。

そんなお手紙の中に、電子メールでは気持ちは伝わらなかったという趣旨の文章を発見しました。

やっぱり。肉筆の手紙は、なぜだか分からないけれど、気持ちが伝わりますね。それに、手紙という物質が手元に届くのが、きっとうれしいのだと思います。

それは、私がポストクロッシングからもらっている喜びと似ているのだと思います。

熊本の郵便局は2016年に閉局し、その間、約1万通のお手紙が仲介されたそうです。見知らぬ誰かに便りを書くという点では、ポスクロとそっくりですが、手紙の送り先が水曜日郵便局で、そこに集まった手紙をマッチングして転送するのは人間ーーという点で、大きく異なります。ポスクロの場合は、コンピューターから、割り振られた相手の住所や名前などの個人情報が直接届きますから、それの取り扱いや、本当に便りを書くのかどうかも含めて、ややリスクがある、と思う人もいるかもしれません。一方、直接やりとりができるポスクロの場合、お友達になれる可能性もあると言えます。実際、私は直接お会いした人も何人かいるわけで。

さて、水曜日郵便局は、2017年末に宮城県東松島市の漁港跡に場所を移して「営業」再開。毎週、あちこちから手紙が送られてくるそうです。

手紙の力は偉大だね。

本の最後には、「局員」宛てに届いた励ましの手紙も紹介されているんですが、子供の字(と思しき)

「すてきなことを考えてくれて ありがとう」

に、グッときました。私も、ポスクロを思いついて始めてくれた人や、他人の善意を信じて参加している世界中の人たちに、本当に感謝したい! そして、ポストカードを送り届けてくれる世界中の郵便局のみなさんにも!

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