菅原道真の望郷の詩、中国より来る
中国のメンバーからポストクロッシングのオフィシャルで届いた1枚が、教養の香漂う内容でした。
んー。簡単には読めず、意味も分からん。
調べてみたら、以下のような詩であることまで突き止められました。
本来は縦書きなのですが、現代、ネットでは横書きになってしまうのがなんとも複雑な気持ちです。でも、勉強のつもりで記しておきます。
去年今夜侍清涼
秋思詩篇獨断腸
恩賜御衣今在此
棒持毎日拝餘香
ざっくりとした意味は、
「去年の今夜、私は清涼殿の宴で醍醐天皇のそば近くにお仕えしていた。帝から戴いたお題「秋思」に対し、私は詩を詠んだ。その時に賜わった御衣は、手もとに今こうして置かれている。それを毎日おし戴いては、残り香を懐かしんでいる」
とのこと。
意味を頭に入れて読むと、原文と、ポストカードに書かれている言葉の異なる点が気になります。
まず、一行目。いただいたカードには「今日」とありますが、本来は「今夜」だったようです。宴が開かれた時間は夜だったのではないかと私は想像するのですが、中国では「今日」として伝わっているのかもしれませんが、詳細不明。
二行目の一文字目、「永」と読めますが、「秋」が正しいはず。というのも、一年前に帝からいただいたお題が「愁思」だったからです。
読み方、意味などは、「菅原道真」「去年」「今夜」などのキーワードで検索して調べてくださいませ。詩の解釈については、ちょっとずつ異なる見解が見つかるので、ご自身で味わっていただくのが一番いいかなと思います。
ところで、このカードに書かれていたのは、道真の漢詩と送り主の英文署名、送った日、IDだけで、個人的なあいさつなどは皆無でした。いつもならシュンとするところですが、今回はそのそっけなさがかえって良かったです。