郵便とリアルでトラベルライフ

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フィンランドは岩盤の国

ヘルシンキ空港からバスに乗って市内に向かって出発すると、すぐにむき出しの岩盤が目に入ります。東京では絶対に目にしない光景だけに、最初は「あれは一体何だ??」と思うほどの異様な風景なのですが、やがて、「この国は岩の上にあるんだな」と納得がいくでしょう。それほど、あちこちに茶色の岩肌がさらされているのです。

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去年の震災までは、そんなことは大して記憶に残っていませんでした。岩をくりぬいて造った素敵な教会があったね~、と、それはのんびりと覚えていた程度です。

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しかし、震災の後、『100,000万年後の安全』というドキュメンタリーを見たときに、あの、空港近くの巨大な岩盤が記憶から呼びさまされ、そして、強烈な映像となって残ったのです。

*10万年後の人類への警鐘

この映画は、フィンランドで建設が進められている世界初の高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場について取材したものです。固い岩を削り、地中深くに放射性廃棄物を埋蔵しようというもので、その無人の地下都市は、10万年間、安全に保持されるように設計されていて、その場所が選ばれたのも、硬い岩盤があったからだというナレーションを聞いたとき、「あ!」と、あのヘルシンキで見た風景が記憶に鮮やかに蘇りました。

この映画を見ていない私の両親も、岩盤のことにはすぐに気が付いたようでした。そして、市内のあちこちの道路で遭遇する敷石を見ながら、「これは岩を切り出して作ったんじゃないか」とまで言っていました。

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真相は分かりませんが、岩という素材が身近なのだということは、市内のあちこちで感じます。シベリウス公園のモニュメントも、岩の上にありましたし、公園内のあちこちに、もはや目になじんだ岩肌がむき出しになっていたのを思い出しました。

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ヘルシンキ市内のセウラサーリという野外博物館に行った時の写真にも、湖畔で休む水鳥の足もとが岩盤だった様子が映っていました。

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震災後、原発のことが話題になるたびに、私はフィンランドの岩盤の風景を思い出してしまうのです。