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モンゴル人男子と発酵食品談義

週一回、私は外国人とみっちり2時間、日本語でおしゃべりするボランティアをしております。このところ、大学受験を控えたE君のお相手を担当していますが、これが、ものすごく楽しくてたまりません。

E君はウランバートル出身で、ちょっと珍しい高校の出身です。校名は新モンゴル高校。日本の高校を真似てつくられた高校で、入学してから全員が日本語を学び、3年生になったら、日本語で一般の科目も学習するというのです。

そして、制服も日本式。日本と異なるのは、私服で登校し、学校で制服に着替えることです。日本式の服装では、寒いモンゴルでつらかろうと思って聞いてみたら、当たり前のように「学校で着替えるんですよ」といいます。授業が8時20分に始まるので、8時ころは着替えのピークだそうです。女子はトイレで、男子は教室で着替えるということで、更衣室はありません。

E君は化学が得意で、高校時代、2年連続で、国家代表として化学オリンピックに出場し、2年目はシルバーメダルをもらったそうです。

発酵食品について学ぶ、という、彼の留学理由、私、大好きなんです。モンゴルでは牛の乳の発酵食品は色々あれど、ラクダの乳は栄養分が豊富である反面、ほとんど活用されていないーーそこで、E君は、ラクダの乳の活用して高機能発酵食品を作って、モンゴル人、ひいては「世界の人たちの健康」のために役立ちたいという、まあ、立派な夢を持っているわけです。

このように書くと、典型的な優等生という印象をもたれるかもしれませんが、目の前に座っているE君は、ちょっと細身で、すがすがしくて、素直で、笑顔がかわいらしい、いい子なんですよ。清らかな瞳にまっすぐに見つめられると、けがれている部分を見透かされるような気になるほどです。

それはともかく、発酵食品は私が大好きな分野です。毎年2月には味噌を仕込むし、ブームが来る前から塩麹を自分で作って料理に使ってきました。アジアを旅行するときの最大の楽しみが、現地の調味料を調達することで、アジアは発酵調味料の宝庫ですもんね! だから、発酵食品については、色々と紹介できるし、また、モンゴルの話もすごく興味ありありです。

日本の家庭で味噌や醤油、酢などがどうやって使われているのか見たことないE君を、今度、我が家でもてなすことになりました。だって、某チェーン店の味噌汁が、彼の味噌汁初体験で、「とってもおいしかった!」と、お目目キラキラさせて言うんです。だったら、私の「手前味噌」で、ちゃんと出汁ひいて、ご馳走してあげたい。

E君は、某日本企業の財団から奨学金をもらっている関係で、関東~中部地方の大学に進学することが条件づけられています。ただし、第一希望の京都大学はOK。

今月中旬に留学生試験の結果が分かったら、最終的に受験大学を決めることになります。

「もちろん、京都大学に行かれたら本当にうれしいけれど、もしダメで、ほかの大学に行くことになっても、それは、今の僕にとって、一番いい結果だと思っています。僕は失うものは何もないです」と言います。彼は、やれることはすべてやったという充実感があるので、そのうえで進学先が決まるのだから、どこであろうと、自分が行くべき学校なのだと、受け入れる気持ちなのです。

人事を尽くして天命を待つーーこんな心境になったこと、私は多分ないです。これ以上できないほど頑張ったことが、ない……。

E君と話していると、はっとさせられることがたくさんありますが、それはまた、機会があれば書きたいと思います。

大学の話を色々していたら、「早く、大学生になりたいです。すごく楽しみ♪」と言って、本当に夢いっぱいな表情をしました。最近の日本の大学の様子は分かりませんが、学業に本気で励んでいる学生は少数派でしょう。E君が失望しないような大学に進学できることを、日本のお母さんを気取っている私は、心の底から願っているのです。

こんなにすてきな男の子を育ててくれたE君のご両親に、本当に感謝の気持ちでいっぱい! 

ということで、再来週あたり、我が家に19歳のすがすがしいモンゴル少年が発酵食品てんこ盛りの昼食を食べにやってきます。

 

 

 

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