「韓国はカード社会」を疑う
このたびの韓国旅行の前に女性誌の特集を読み込んでいた時、
「あら?」
と思ったのが、
「韓国はカード社会なので現金はほとんど必要ありません」
という、渡韓歴ン十回の韓国旅行達人のみなさまのコメントでした。
タクシーでも使えるとあったので、使える限りカード決済しようと心に決め、前回の旅行の残りのわずかなウォンだけを持ってソウルに乗り込んだのです。
で、金浦空港でいきなり、カードが使えない事態に遭遇しました。
私がレンタルしたWiFiの会社は現金主義だったんです~~。しょうがないから、すぐ近くの銀行のATMでクレジットカードでキャッシングしようとするも、
「あなたのカードではできません」
となってしまいました。
おいおい、話が違うじゃんか!
その次、繁華街・明洞のコンビニでちょこまかした買い物をしたときのことです。お店の人にカードが使えるか確認してOKだったので、私は自信満々にMasterCardを出しましたーーが、NGなんですよ。Visaなら、ということで、急きょ夫に支払ってもらいました(涙)。
お次は、美術館の入場料が払えないという事態に。受付嬢の話では、外国(つまり韓国以外の国)で発行されたクレジットカードは使用不可なんですって。そりゃ、ヘンだわな~と思いつつも、その場はしぶしぶ現金でチケットを購入しました。
でも、納得いかない私は怒りがおさまらず、絵葉書をカードで買ってみたんです。そしたら、大丈夫でした!
しかししかし、今度は地方都市へ移動するための高速バスのチケットが、カードでは買えなかったんです! 理由は美術館のときと同じ、「外国のカードはだめです」。
それじゃあ、クレジットカードの意味、ないじゃん!
ソウルの高速バスターミナルでの出来事ですが、せめてキャッシングは出来ないものかとやってみました。私のMasterCardはまたもや弾かれ、Visaまでもが機械に嫌われました。でも、夫のVisaは大丈夫だったんです。私はブラックリストに乗るような失敗は一度たりとも起こしたことないし、レストランなどではちゃんと受け付けてもらったカードでこういう仕打ちを受けるということは、運不運の問題ですか?
その不満を、日本の大学院に留学しているチェ君にぶちまけました。彼は一時帰国中で、私たちと一緒に全州で遊んでくれたので、日本語であれこれ尋ねるのにちょうどよかったわけです。(全州のことは後日レポート予定)
「バスのチケットはカードで買えますよ」
とチェ君が言い張るので、高速バスでソウルへ戻るチケットを全州のバスターミナルで買おうとしてみたのですが、やはり、「韓国のカードだけ」と言われました。
それを見ていたチェ君に、ソウルでの顛末を話すと、
「ヘンですね」
と言ってくれて、窓口で交渉してくれました。そうしたら、一発OKだったんです。私の(呪われた)MasterCardでバッチリ決済できました。
でも、喜んでばかりもいられません。非常に複雑な気持ちになりました。こうなると、人を選んでいる可能性が出てきます。私の人相に問題でも??
結論: 雑誌などで「韓国では現金はあまり必要ありません」と言っている人たちは、ソウルの繁華街の外国人を相手にしているお店での体験を述べているに過ぎない可能性が大きいです。だから、不測の事態に備えて、ある程度の現金は絶対に必要です。そして、カードも複数種類を持参した方が安心です。
クレジットカードで世界がつながったーーなんてウソですよ。(←夫のコメント)
あんなにカード決済が普及しているフィンランドですら、路線バスは現金しか受けとってもらえませんでした。
それに、ロンドンのヒースロー空港にあったロンドン五輪公式ショップは、公式スポンサーのVisaしか受け付けませんでした。その時、私は出張中で、会社から渡されていたMasterCardのコーポレートカードで決算しないといけなかったのに、使えないわけですよ。そこで、泣く泣く、虎の子のポンドを使ったんです。
要するに、いざとなったら現ナマが一番確実、というお話ですね。