同じ熱病に冒された2人
「マリメッコの写真集出るの知ってますか?」
歯医者さんの受付兼歯科助手の女子Fが、あいさつもそこそこに話しかけてきました。
そう、私と彼女は「同病相憐れむ」仲なんです。名付けて「北欧大好き病」。
彼女が言っていたのは、たぶんこれ ↓ のことでしょう。
マリメッコの伝説的デザイナーのマイヤ・イソラの作品は、私も大好きです。かつてマリメッコに在籍した脇坂克二さんの本が出たばかりと思ったら、大御所マイヤのご本が!
F「買っちゃう?」
私「んー、分かんないなあ。実物見てからだなあ」
「そういえば、リサ・ラーソンのムック、買いました?」
「いや、まだ。でも、私の友だちが買ったらしく、おまけの万年筆をブログに載せてた」
「へー。そうなんだ(彼女の表情はすっごく欲しげ)」
「で、買うの? 買わないの? 買ったら万年筆見せてよー」
「欲しいのは欲しいんだけど、ああいうのは一度手を出すと、次々買っちゃいそうで怖くて」
「そうだよね~。この病気、何とかならないかねえ」
とまあ、月一度の口腔内チェックに行くたびに、お互いが仕入れた「北欧情報」を交換しとります。去年、さんざんフィンランドに行ってた時に、
「これおみやげ~」と渡したのは、フィンランドの有名なGeishaという名前のチョコ(w)。
「こんなものを歯医者さんで取り出していいのかなと思うけど……先生に内緒ね」
ということで、Fと私は密約を交わしたものでした。「キャ!」と小さく叫んだFのうれしそうな顔ったらありませんでした。
精算の時に、「!」と思い出して言ってみました。
私「フィンエアーが春からマリメッコジェットになりますよ~」
F「そうそうそう、そうなんですよね♪(さすがに知っていた)」そして続けて、「あれ、かわいいですよねえ。乗りたいですねえ」
そこで、追加情報を提示。
「動画見た? 6分近いコンプリートバージョン、すっごくよろしいよ!」
「え!! まだ見てない。動画があることはどこかで見たんだけど。ロップンですか! 今日、帰ったらすぐにチェックしてみます、YouTubeですね!」
「そうそう。あれ見ちゃうと、頑張ってビジネスクラスに乗りたくなるよぉ。食器からブランケットからテーブルクロスから、ぜ~んぶマリメッコみたいだから」
「そうなんだあ」(と遠い目をするF)。「エコノミークラスはどうなんでしょうね?」
そこそこ、それを私も知りたいのよ。紙コップやナプキンくらいはマリメッコ模様になっていてほしい!
で、帰り際にドアを開けながら、私は再度頼んでみました。
「リサのムック買ったら、万年筆見せてね!」
同じ「病気」の人が近くにいると、楽しいぞ。