バスク旅行記⑯ 世界遺産のビスカヤ橋
建物好き、有名な場所好きな方なら、絶対に気に入ってもらえる場所です。行くまでは「どんなもんかなあ」と思っていましたが、鉄の構造物の美しさに魅了されました。
ちょうど、旅に出る前に見ていたテレビ番組で、常盤貴子さんが「鉄でできた大きなものが好き」と言っていたのを思い出し、非常に深く共感いたしました。
でも、行くまでが大変だったんです。
ネットで仕入れた情報では、最寄駅はAreeta駅。でも、その駅のホームには、ビスカヤ橋のビの字もインフォメーションが出ていないんです。改札も一カ所以上ありそうだし、さて、どっちだ??
そこで、近くにいた頭の良さそうな女の子に尋ねてみると、
「この駅じゃなくて、××駅よ。途中で乗り換えが必要だから、そこまでは一緒に行ってあげる」
と、きっぱりと言われました。私たちはAreeta駅のどっちの改札がいいのか聞きたかっただけなのに、そもそも駅が違うと言われ、タイミングよく(悪く?)電車が入ってきたため、彼女に促される形で来た道をメトロで戻ったのです。
でもさあ、どう考えてもさっきの駅なんだよね。
そこで、彼女に指定された乗換駅で一度降り、親切な女の子を乗せた電車を無事見送って、先ほどの駅まで戻り、あとは運を天に任せて改札を出ました。
そうしたら、こんなもんが出ていました!
ぼけぼけですが、ビスカヤ橋はこっち、と書いてある案内板。あーあ、一時間近くロスしちゃいました。これも旅の醍醐味♪
この道を入っていき、こんな風景が見えたら、当たりです。
本当にこっちでいいんだよねえ、とかなんとかブーブー言いながら歩いていたら、見えた、見えた!
まず、こんな感じで目に飛び込んできます。
ちょっと近づくと、このパワーにビビります。この橋は、基本的には人が渡る橋ではなく、ワイヤーで釣った「箱」を川のあっちとこっちに移動させる仕掛けです。
用を終えた滑車(?)がオブジェのように飾ってありました。これも非常に美しい造形物です。
橋を渡る「箱」は、人間も車もOKです。地元の人は定期券みたいなものを持っているようでしたが、私たちは1回分のチケットを購入して、待合室で数分待ちました。このチケット販売機が訳わかんないので、スペイン語が分からない人はテキトーにやらないで、売店の人に助けてもらった方がいいかもしれません。
人間は、この「通い箱」の両サイドの人間様専用ルームに乗ります。
ワンコは「車両」扱いでした。
この箱のピストン移動、現実に見るとけっこう笑えます。
この橋、お天気のいいとき(=風が強くない日)なら、橋の最上部を歩いて渡れるというエンターテイメントがあるのですが、この日は暴風と小雨模様により、NGでした。気候条件が許したとしても、高所恐怖症の夫は絶対に行かなかったと思います。
「何で、金払ってまで、そんなに怖い思いしなくちゃなんないわけ?」
という理由で。
橋を渡った向こう側は、下町風の街並みで、アパートの建物の間から見えるビスカヤ橋は本当に一幅の絵のようです。しょぼしょぼした雨が降ったりやんだりしていて、それがまた、ちょびっと物悲しい感じを演出していて、大変よかったです。
この写真を撮った場所は、ちょっと高台にあるプチ公園。そして、ワイヤを固定している台座がありました。
この日の私の疑問:
「こんなにカッコいい世界遺産なのに、その姿にふさわしい絵はがきが販売されていないのはなぜ?」
橋の乗り場の売店には、だっさ~いのはあったんですが、購入に至らず、結局、帰国する日にビルバオ空港の売店で、まあ許せる範囲のカードを手に入れました。