外国人からの質問にうなる
ヨーロッパのポストクロッシングメンバーから、立て続けに日本のことを聞かれました。その内容が「?」だったので、記録に残しておこうと思います。
築地市場について
個人的に仲良くなっているドイツ人Nは、「築地市場は一体どうなったんだ!」と連絡をよこしてきました。
彼の知人R氏が東京旅行から戻り、築地市場が消えていたことに大きな衝撃を受けたと言ったらしく、その怒りを私にぶつけてきた感じ。R氏は、築地のセリを見ることを楽しみにしていたから、相当がっかりしたようなのです。
まず、豊洲に移ったことを知らなかったのかと勘ぐって、ニュースのリンクをNに送りました。
すると、さすがに、豊洲移転のことはNもR氏もご存知でした。ただ、築地のセリについて、妄想にも近い憧れを抱いていたらしいR氏にしてみると、豊洲は「ありゃ何なんだ?」な場所だったそうです。そして、築地にも行ってみたが、もちろん、セリは見られなかったわけですね。
私は東京に住んでいますが、セリを見に行ったことなんかない。築地に行くとしたら、場外で買い物するか、おいしいものをたま~に食べにいくか、どちらかでした。
ガイジンさんからすれば、エキゾチック&クールな光景として「ぜひ行ってみたい」市場であることは想像つきます。ただ、昨今の混雑ぶりでは、プロの方たちはさぞ迷惑だったでしょうね。絶対に買い物しないだろうに、鰹節や昆布について、英語で質問している外国人観光客のなんと多いことか。たまになら我慢できても、あれだけの数のわけわかんない人たちが次々に来たら、お店の人は悲鳴あげたくなるだろうなあ。
そもそも、築地市場や豊洲市場は「観光地」じゃなくて、プロが忙しく働く「職場」です。そこへ行くなら、「隅っこにお邪魔させていただく」という感覚は必要ではありませんか? それは日本人にも言えること。
だから、「豊洲はがっかりだぜ」なんて、言わないでよ! 外国人観光客を楽しませるためのテーマパークじゃないからさあ。
ああ、だれか、築地遊園地を早く作ってください! 偽物のセリでも、見れば満足する外国人観光客は多いに違いないので。
花見について
今朝、私が送ったポストカードを登録してくれた女性から、なぜか桜と花見について、質問されました。念のため、私が送ったポストカードは、日本のある観光地の風景で、花は一つもありません。
日本と言えばチェリーブロッサムが有名ですね、と始まったメッセージを読みながら、私は
「ふーん」
と思いました。世界中のメディアがそんなにも桜を宣伝しているのか?
そして、花見(これはHanamiと書いてきた)は、私にとって特別なことなのか知りたい、と。
はい、私にとって桜はとても大切な花だし、桜をめでるのが春の楽しみです。いわゆる飲食付きの花見はそんなに好きではないけれど、誘われたら参加はします。
でも、日本の有数の桜の名所は、花見どころではないですね。日本人だけでも山盛りいるのに、そこにインバウンドのお客さんがプラスされて、ここ数年の東京の桜の名所の混雑ぶりったらありません。
今年はとうとう、アジア人のクルーの撮影中、モデルが桜の花に触ったり枝にしなだれかかったりする現場に遭遇してしまいました。やめる気配がないので、思い余って、
「私たちの大切な桜に触らないで! この木はデリケートなのよ」
と、つい注意しちゃいましたよ。
そのことを思い出し、花見について聞いてきたポスクロのメンバーに、
「最近、花見するのも大変。外国からのお客様も、見ることで満足してくれるといいんだけれど」
と伝えました。花見や桜に対しての私の本当の気持ちを伝えたかったので。
ポスクロやっていると、ハガキのやりとりだけで済まない局面が増えているように感じます。