郵便とリアルでトラベルライフ

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“命のビザ”が発行された現場へ

リトアニアと日本のつながりで、他にはない大切な「出来事」が、第二次大戦中に起こりました。ナチスの迫害を逃れ、日本を通過して第三国へ逃げ延びようとした大勢のユダヤ人に、日本人外交官杉原千畝氏は独断で、日本を通過するビザを発行しました。その場所が、リトアニアの町カウナスに残されています。その場所に身を置いてみたいと思い、ビリニュス滞在をいったん切り上げて出かけました。

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ビリニュスからカウナスまでの行き方を事前に友人に質問しておきました。答えは、「好きな方で行けば?」。どちらも所要時間は一緒、予約は不要、ということなので、往路はバスを選びました。

バス、とは言っても、こんな感じのミニバス。乗り心地はまあまあ、というか、結構良かったです。というのも、夫も私も、爆睡だったので(汗、汗)。

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私たちは、カウナスについてまず、旧市街のホテルにチェックイン。その翌朝、ホテルにタクシーを呼んでもらい、連れて行ってもらいました。タクシーの運転手にアドレスを見せると、「知っているよ」という表情でうなずきました。やがて到着したエリアはかなり静かで、家々の雰囲気が高級住宅街の趣です。

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まず、日本の旧領事館が置かれていた家の正面に立ってみて、驚きました。小さいのです。連日、大勢のユダヤ人が詰めかけ、一説には6000ものビザを発行したとされる場所にしては、あまりにもこじんまりとしています。

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現在、記念館として開放している場所の入り口は、通りに面した玄関ではなく、横道を少し入った場所にありました。

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あ、日本語(笑)。

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また、日本語。ほっとして、ベルを押すと……

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中から、背の高い、ヒジョーにイケメンのお兄(あ、リトアニア人です)さんが出てきてくれました。

「入っていいかしら」と、ちょいと気取ってお尋ねすると、優しい笑みを浮かべ、「もちろんですよ、どうぞどうぞ」と招き入れてくれました。この段階で、

「ああ~、来てよかった」のモードになりました。

杉原氏ご本人やご家族のお写真、お仕事に使われた道具などが、歴史の証人として飾られています。

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しばらくすると、先のお兄さんが「ビデオを見ませんか?」と誘ってくれました。

日本のテレビ局などが制作した、ちょっと古いビデオ(15分程度だったと記憶しています)を2本、見ました。杉原氏のなさったことの内容はある程度知っていても、実際に命を救ってもらったユダヤ人たちの熱い感謝の言葉を聞いていると、あふれてくる涙を抑えることができませんでした。

ある女性は、舞鶴港に到着したときに妊娠中で、息子さんを舞鶴で出産したといいます。立派に成人したその息子さんもビデオに出演していて、その方のお子さんなど、一族が大勢集まっている様子も映っていました。

訪問帳に私たちも記帳させていただきました。ちょうど、その前の日に、欧州のある国に駐在されている日本の大使ご夫妻がサインされていました。外交官の大先輩が、国の意向に反してまで日本通過のビザを発給したことに、深い感銘を覚えておられるご様子でした。

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カウナスから日本の知り合いに何通がハガキを出しましたが、実家に送ったハガキを先日、写真に収めてきました。

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自分にも送ればよかったと、今、後悔しています。

カウナスからビリニュスへ、鉄道の旅

往路はミニバスだったので、鉄道でビリニュスに戻ることにしました。

カウナス駅は、ビリニュス駅と外観がそっくり。Kaunas をVilinusに変えるだけ、というくらい似ていました。内部はがら~んとしていて、必要以上に天井が高いんです。窓口で「ビリニュスまで二枚」と英単語を並べれば、あっという間にカードで切符が買えました!

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改札などなく、そのままスルスルとホームに行きます。

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すでに待機していた車両が思いのほか新しくきれいでビックリ!

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ドアは、自分でボタンを押して開けるタイプです。

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車内も本当にきれいでした。荷物を置く棚が日本とはかなり感じが違いますね。

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途中で乗り込んできて、でん、と私の横に座ったおばちゃんがめちゃくちゃおしゃべり&大声だったのには笑いました。全然分からない言葉を耳の真横で1時間近く聞くという体験はお初でした。当然ですが、一言も分かりませんでしたとさ。