移民の記憶
カナダのポストクロッシング・メンバーから届きました。カナダの東端、大西洋岸に面した主要都市、ハリファックスに現存する海港移民施設のポストカードです。私は、この場所を経由してカナダに移住したご本人から、このカードをいただきました。
すぐに頭に浮かんだのが、アメリカのエリス島。移民局が置かれていたこの場所は、ヨーロッパからアメリカに渡った移民がまず上陸した地点として有名です。同様の移民施設が、カナダにも存在し、ヨーロッパ移民の多くがこのPier 21を経由したのでしょう。1928年から1971年の間に、100万もの移民がここからカナダ各地に散らばっていったといいます。私にカードを送ってくださった方も、その一人なわけです。
現代史が急に現実味を帯びました。
この方は、1948年にご両親と男の兄弟(複数)とともに、ヨーロッパ某所より船旅の末、ハリファックスのこの施設に到着。さらに電車で内陸の町まで3日かけて旅をしたそうです。
ポストカードに書かれていた短いメッセージなのに、情景が目に浮かんで、この家族のたどったその後の人生が想像されて、胸がキューっとなりました。
ハリファックスのこの場所は、現在、移民博物館になっています。