郵便とリアルでトラベルライフ

旅が大好き! Postcrossingを始めてからハガキで世界旅行。楽しいよ♫

「世界遺産」って実際、どう?

先頃、フィンランド人にポストクロッシングのオフィシャルを送ることになり、白川郷のきれいな1枚をチョイスしました。というのも、

「私は旅行が大好きで、旅先のアイデアを常に探しています。参考にしたいので、あなたの国の世界遺産のポストカードをお願いします」

という、非常によくあるリクエストだったので。

 私自身は、最近、世界遺産に行って、ほとんどいい思いをしていない。それは、白川郷とて例外ではありません。

ですので、正直なことを書きました。

「あなたは世界遺産にご興味があるようなので、これを送ります。ただ、私がそこに行ったときに、まるでテーマパークに来てしまったかのような、非常に不愉快な思いをしたこともお伝えしたいと思います」

合掌造りの集落として世界遺産に登録されているのは、岐阜県富山県にまたがるエリアで、白川郷五箇山が登録名称になっています。数年前、金沢に旅行したついでに、両方を回る日帰りバスツアーに個人で参加しました。

最初に訪れたのは白川郷。目的地が近づいてくると、おびただしい数の大型観光バスが目に入りました。自分もそういうバスでやってきてるんだけど、非常にいや~な予感。自撮りに忙しい観光客を横目に歩き始めると、「私は雰囲気にひたりに来ているのよ! 静かに!!」オーラ全開の白人のお姉さんが自分以外の人をにらみまくっていたりして、まあ、殺気立ってる!

唯一の救いは、観光客に有料で公開されている住宅の中を見せていただいたときのことです。家の主が温かく迎えてくださり、歴史的な建物を守り伝えていくご苦労を、「真夏でも囲炉裏に火を入れなければならないんですよ」という具体例とともに、お話くださいました。そこにかわいい猫が登場。歓迎してくれてうれしかったわ!

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団体さんが減ったころ、人混みを避けて集落を歩いてみると、白川郷は実は、本当に本当にステキな場所でした。

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だから思うのです。入場制限をかけてほしい。適正な人数が静かに歩いている分には、白川郷も、本来の魅力を発揮できると思うし、訪れた人たちは愛おしく記憶すると思うのよね。

トルコの世界遺産も大混雑

海外では、トルコの世界遺産での混雑ぶりも記憶に新しく、そのことも、フィンランド人あてのポストカードに書きました。

まず、奇岩で知られるカッパドキア。長年、行きたくて行きたくて、ようやく念願叶って、去年、訪れました。自分もそこに行っているわけだから、文句を言えた筋合いではないんだけれど、幻滅レベルの混雑ぶりでした。

みんなが自然の造形を静かに味わっていればいいんです。でも、現実は、ドローンを使って自撮りしているバカップルのように、SNSのために来ているような観光客が、せっかくの雰囲気をぶち壊し。座る場所を探すのにも一苦労で、やっと見つけたベンチで一息つくと、すぐ後ろでは、ヨーロッパ人がお酒飲んで大騒ぎですよ。

ローマ帝国の遺跡と比類なき自然の造形のパムッカレも、古代遺跡が圧巻のエフェソスも、状況は似たようなもんでした。ゴミの放置や落書きは、もう、あちこちでフツーに行われてます。

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行くのが大変な地方都市ですら、世界遺産があることで、私のような観光客が世界中から大挙するわけだから、大都市イスタンブールは言うに及ばすです。

すいていれば、世界遺産は楽しい

私が訪れた世界遺産で、そんなに混雑してなかったために楽しめたのが岩手県の平泉かな。中尊寺はそこそこ人がいましたけど、ドローン飛ばしている人はいなかったし、みなさんお行儀良くしてました。毛越寺に至っては、ほどよい観光客数で、良かったわ~。

ポスクロでも、「日本に行くのが夢。オススメは?」と、しょっちゅう聞かれます。私は、自撮りのためのタッチ&ゴーが目的でない限り、世界遺産は勧めないか、「いい場所だけど混んでるよ」と加えるか、です。

文化財や自然環境を守っていくにはお金がかかる。だったら、まず、観光客の人数を制限し、ディズニーランド並みの利用料をしっかり徴収し、景観保全や現地の方の生活のために使いましょうよ。私は、落ち着いた雰囲気が担保されるのであれば、喜んでお金払いますよ。

ちなみに、コロナが広がる直前、ちらっと京都に行きました。インバウンド客で激混みしていた祇園ですら、スイスイ歩けて、お商売の方にはお気の毒でしたけれど、人混み嫌いの私はうれしかった♬ でも、これは外国人が消え、日本人も自粛していただけのこと。みんな、京都は行きたいよね~。しっとりした雰囲気を味わうには、超穴場(って、どこ?)に行くしかないのか?